在留期限の延長: 解雇と自己都合退社での違い
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日本人の被用者と同じように、外国人材でも勤務先の会社を退社される方が当然おられます。退社理由は通常、会社都合退社(解雇)と自己都合退社との二つに大分類されます。この退社の理由(会社都合・自己都合)により雇用保険の求職者給付などが異なってくる点は、日本人と外国人の被用者の間に差異はありません。
一方、外国人被用者に特有な在留管理に関しても、退社理由によって取り扱いが異なってきます。雇用保険などと同様に、求職活動の継続のために、会社都合退社(解雇)の場合の方が自己都合退社の場合と比べてより長期間の在留期間延長が申請できる仕組みになっています。詳細は以下のようになります。
- 共通: 会社都合、自己都合、いずれのケースでも、
- 入退社の際には入管庁に「所属機関等に関する届出」を入社・退社後の14日以内に行うことが義務付けられています。
- まず最初にこれを実施します。
- 会社都合退社(解雇)の場合
- 求職活動を継続するケース: 現在の在留資格期限を超えて、期限後最長6カ月までの期間延長が申請ができます。
- 現在の在留資格でその有効期限まで在留できます。
- その間、資格外活動許可の申請も可能です。
- ハローワークに登録して求職活動を始めます。これにより、求職活動の継続を立証することができます。
- 在留期限到達後も、6ヶ月間の特定活動(就職活動)資格に変更が可能です。
- ただし、この特定活動資格を更に更新して期間を再延長することはできません。
- 現在の在留資格でその有効期限まで在留できます。
- 帰国を希望するケース
- 短期滞在資格(90日)に変更する申請が可能です。
- 求職活動を継続するケース: 現在の在留資格期限を超えて、期限後最長6カ月までの期間延長が申請ができます。
- 自己都合退社の場合:
- 現在の在留資格でそのまま在留できるのは、退社後3カ月間又は現在の在留資格期限までのどちらか早い時期までとなります。
- その期間中に、再就職または帰国することになります。
- その間、資格外活動の許可は下りません。
- 現在の在留期限が迫っている場合には、30日間の特定活動(帰国準備)の資格を申請することになります。
- 現在の在留資格でそのまま在留できるのは、退社後3カ月間又は現在の在留資格期限までのどちらか早い時期までとなります。
上記の一般的な差異は外国人材本人に関わるものですが、特定技能の在留資格においては会社都合退社の場合には会社にも重大な影響が生じます。解雇した会社はその後1年間は新規に特定技能外国人を受け入れることができなくなり、また、既に在籍している他の特定技能外国人の在留期間更新申請が許可されなくなります。従って、在籍している特定技能外国人の転籍・転職の支援を開始しなければなりません。