脱退一時金: 国民年金・厚生年金

 外国人材であっても日本に中長期間在留する方は日本の年金制度への加入が義務付けられています。しかし実際に老齢年金を受給するには、最低10年間の加入期間が必要になります。従って10年以内の在留後に帰国する外国人材の方は、日本での年金加入が「掛け捨て」となってしまう可能性があります。それを救済するために、帰国した外国人材限定で年金制度から脱退し掛金の一部が返還を受けることができる「脱退一時金」制度が国民年金・厚生年金に設けられています。

 ここで留意すべき点は、脱退すると日本での年金加入期間の記録が抹消されてしまうことです。逆に言うと、帰国しても脱退しない限り年金加入の記録が残ることになります。再度、来日・在留して年金加入することにより、残っている年金加入期間の記録に今回の加入期間を加算してゆくことが出来ます。つまり、帰国する外国人材には以下の二つの選択肢がありますが、どちらが有利かは、再来日の予定の有無などの個々人の事情によります。

  1. 脱退する → 一時金受取 → 年金加入記録が抹消される
  2. 脱退しない → 一時金不支給 → 年金加入記録が残る → 再来日により年金加入期間が累積する

 同様な状況は海外に在留する日本人にも起きます。そこでこの「掛け捨て」状況の緩和のために、日本は(現在)約20か国と以下を約した協定を結んでいます。この協定は社会保障協定と呼ばれています。

  • 「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)
  • 年金受給資格を確保するために、両国の年金制度への加入期間を通算することにより、年金受給のために必要とされる加入期間の要件を満たしやすくする(年金加入期間の通算)

 社会保障協定締結国から来られた外国人材の方や締結国に在留している日本人の方は、上記の「脱退する・しない」を選択する際には、脱退することにより在留国での年金加入期間が抹消され「年金加入期間の通算」の便益が享受できなくなる点も考慮に入れて判断することになります。

 制度の詳細は以下の記事を参照してください。

以上