永住申請: 将来の永住申請に備えた望ましい転職の仕方 – 2
このブログにおける社会保障とは
このブログにおける社会保障とは、日本における公的健康保険と公的年金を指します。
日本の社会保障制度: 3層構造
まず初めに、日本の社会保障制度の構成を見て行きたいと思います。制度の構成は、大まかに言って下記の3つの層で成り立っています。
- 第一層: 公的社会保障で、日本の住民で雇用されていない方が被保険者となっています。(注: 制度的には、日本の住民全てが第一層の被保険者となります。下記の第二層の被保険者は第一層にも同時に加入しているのですが、 通常、手続きでそれを意識することは多くありません。従いまして本ブログでは、第一層の被保険者を「雇用されていない日本の住民」として簡略化して記述します)。
- 第二層: 公的社会保障で、日本の住民で雇用されている方が被保険者となっています。
- 第三層: 民間の社会保障で、第一層や第二層に上乗せする形で、主に大企業が従業員向けの福利厚生として提供されています。
本ブログでは、日本の全ての住民や全ての被用者(雇用されている方)が対象となっている第一層と第二層を解説してゆきます。
保険料の支払い方の違い: 第一層と第二層
第一層と第二層では、以下のように社会保険料の支払い方法が異なります。
- 第一層: 被保険者が自ら保険料を支払います。
- 第二層: 雇用主が、被用者の給与や賞与から保険料を控除し、被用者に代わって保険料を支払います。
加入期間の単位の違い: 年金と健康保険
加入期間の単位が、年金と健康保険で異なります。
年金の加入期間は月単位です。毎月末日の雇用の状況で、その月の年金の加入先が決まります: 第一層なのか第二層なのか、また、第二層の場合、どの勤務先が年金保険料を給与から控除するのか、が決まります。
年金と異なり、健康保険の加入期間は日単位です。日単位の雇用の状況で、その日の健康保険の加入先が決まります: 第一層なのか第二層なのか、また、第二層の場合どの勤務先の健康保険に加入するのか、が決まります。このように加入期間の単位は日単位なのですが、健康保険の保険料は月単位でかかります。第一層の国民健康保険では月の末日に加入している場合に、その月の保険料の支払いが必要となります。第二層の健康保険組合では月の途中の一時期でも加入すると、その月の末日には加入をしていない場合でも、その月の保険料の支払いが必要になります。
第一層と第二層との間の移行
第一層と第二層との間は、被保険者の雇用の状況に合わせて移行します。雇用されていない状況又は自営業の状況から、雇用されるようになると、第一層から第二層へと移行します。逆向きに、雇用されている状況から雇用されていない状況に変わると、第二層から第一層へと移行します。
転職する際の3つのシナリオ
上述しました日本の社会保障制度における層、保険料支払い方法、さらに加入期間の単位の理解をもとに、前回のブログで書きました転職の際の下記の3つのシナリオを図示したスライドを下に掲げます。
- 最も望ましいシナリオ: 中断期間を1日たりとも置かない
- 次に望ましいシナリオ: 中断期間が月末を越えないようにする
- 望ましくないシナリオ: 中断期間が月末を越えてしまう
中断期間が避けられない場合はどうするのか?
望ましい転職の仕方が判っていても、転職の際に中断期間が生じてしまう事を避けられない場合があと思います。次のブログでは、そのような場合にどのように対処すべきであるかを書いてみたいと思います。
以上