令和元年上半期・外国人新規入国者統計 :留学ビザが7%減少

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 法務省は10月25日に本年度上半期(4月~9月)の外国人新規入国者数の統計を発表しました。短期滞在ビザを除くと、新規入国者数が多いのは順に、技能実習1号、留学、技術・人文知識・国際業務、公用、興行の5つで、この上位5資格で新規入国者全体の約73%・4分の3近くを占めています。(下表・下図参照)

 新規入国者(短期滞在を除く)の全体数が昨年度上半期比で約19%増加し、この上位の資格者の数も急増している中、唯一減少しているのは留学ビザです。昨年度上半期の約66,000人から約61,500人へと6.9%減っています。留学ビザは年単位の統計で東日本大震災で減少した2011年以来、過去7年間増加し続けていましたので、今年上半期のこの約7%の減少は注目に値します。

 留学ビザでの新規入国者が減った裏側には以下のような政策的な背景があるのではないかと、関係者は推測しています。入管庁の公式見解ではありませんが、当を得ていると思われます。今まで以上に、日本での就労が主たる目的であるケースでは当然のことながら不法な留学ビザではなく、特定技能や技術・人文知識・国際業務などの妥当・適法な就労資格を得て入国することが必須となります。

  • 就労目的でありながら留学資格で日本語学校などに来日する外国人を、その目的に適っている2019年4月新設の特定技能資格に誘導するため、留学資格の審査をより厳格化させている。
  • 留学資格の審査では本人・親の財産調査が特に厳格化している。財産が十分でない場合、日本での学費・生活費の支弁でアルバイトなどの資格外活動に頼り、週28時間の制限を超えて不法就労に至る恐れが強いので、許可が下りにくくなっている。

リンク: 法務省 プレスリリース 2019年10月25日