脱退一時金: 国民年金・厚生年金 – 上限を3年から5年に延長する改正が検討中

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 厚労省の審議会で、脱退一時金の金額を計算する際の加入年数の算入上限を、現行の3年から5年に延長する改正が検討されています。現在は審議会での検討段階で、来年度2020年度での改正法案の成立を目指しています。

 本サイトのページ(厚生年金国民年金)で詳しく解説してありますが、現行は3年が上限で、保険料納付済期間がそれ以上増えても脱退一時金の返還額は増えません。この改正が実現すると、在留期間が3年超の外国人材が帰国し脱退一時金を請求する場合でも、一時金の金額が5年を上限として増額することになります。

 特定技能資格が令和元年4月に導入され、特定技能1号の在留年数が5年になっていることが改正検討の背景にあります。特定技能で入国在留されている外国人材の数はまだ少ないですが、政府の目標人数は5年間で34万人なので、今後、特定技能資格者を中心に在留期間が3年を超え5年に届く外国人材が大幅に増えると予想されます。それに対応して帰国時の脱退一時金も3年超の掛け捨て部分を減らし、加入時の心理的抵抗感を抑制して加入率の向上を目指した施策となります。

出典: 厚労省 第13回社会保障審議会年金部会 (2019年10月30日) 資料1 (ページ5)