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厚生年金の脱退一時金の返還額は下の計算式で算出されます。
厚生年金・脱退一時金の返還額=平均標準報酬額x支給率
留意すべき点は以下となります。
- 被保険者期間が6月以上ある方のみに脱退一時金が返還されます。
- 6月未満の場合は脱退一時金の返還はありません。
- 36月(3年)以上の場合は上限金額に達し、保険料納付済期間がそれ以上増えても脱退一時金の返還額は増えません。(注: 2019年12月現在、この3年の上限を5年に延長する改正が検討されています。詳しくはこのブログ投稿を参照ください。)
- 老齢厚生年金の受給期間を満たしている方は、脱退一時金の請求ができません。その代わりに、将来高齢になり受給年齢に達した時に老齢厚生年金を請求していただくことになります。
- 国民年金での脱退一時金の返還額と異なり、約20%が所得税として源泉徴収され、残額約80%が送金されます。
- 源泉徴収された所得税は、別途、還付手続きにより支払を受けることができます。
下に掲示した引用資料での用語の定義は以下となります:
- 平均標準報酬額: 被保険者期間中の保険料計算の基礎となっていた標準報酬月額と標準賞与額の総和を被保険者期間の月数で除した金額。2003年3月以前は賞与から保険料が引かれておらず(総報酬制実施前)、その分、2003年4月以降と比べて毎月の給与に付加される保険料率も割高でした。2003年3月以前の被保険者期間を有する場合にはその分の調整が入ります。
- 支給率:被保険者期間月数と最終月から、下記資料の表中の該当する数字が支給率となります。支給率は以下の式で計算されています。
- 支給率= 保険料率 x 1/2 x 被保険者期間に応じた数
事例:平均標準報酬額が30万円、厚生年金被保険者期間月数が24月(2年)で、その期間の最終月が2019年1月の場合は、返還金額は以下の式で計算され、660,000円 となります。
脱退一時金・返還金額 = 平均標準報酬額 x 支給率 = 300,000円 x 2.2 =660,000円
以上