健康保険: 2019年4月施行の被扶養者・国内居住要件に関する厚労省通知
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以前のブログでも取り上げたように令和2年(2020年)4月1日から、全ての健康保険で被扶養者認定の際に国内居住要件が追加されます。現在、海外に居住している被扶養者は、原則として来年4月1日以降は被扶養者認定が受けられなくなります。
改正の施行を前に、この国内居住要件に関する厚労省の通知が11月に出されました。通知には適用に当たっての基準の統一やFAQが含まれています。
被扶養者要件は、現在、以下の二つですが、改正後はこれらに国内居住要件が加わります。
追加される国内居住要件は以下のようにまとめることができます。
- 原則: 日本国内に住所を有する者(国内居住者)は被扶養者と認定される
- 例外1: 国内居住者でも被扶養者に認定されない場合あり。以下の2つが挙げられています。
- 「医療滞在ビザ」で来日した者
- 「観光・保養を目的とするロングステイビザ」で来日した者
- 例外2: 国外居住者でも被扶養者に認定される場合あり。以下の5つが挙げられています。
- 外国において留学をする学生
- 日本からの海外赴任しても被保険者資格が継続する場合、その者に同行する家族
- 海外赴任中の身分関係の変更により新たな同行家族とみなすことができる者
- 就労以外の目的で一時的に日本から海外に渡航している者
- その他日本に生活の基礎があると認められる特別な事情があるとして保険者が判断する者
また、経過措置として、2020年4月1日時点で入院している場合には、退院するまでの間は国内居住要件を満たさなくても被扶養者資格を継続させる、とされています。
日本の健康保険に加入している外国人材に対して、この改正は以下の効果を持つものと思われます。詳細は加入されている健康保険組合にお問い合わせください。
- 海外在住の被扶養者は改正後、原則、被扶養者認定されなくなる
- 子を海外に(例えば出身国の学校に)留学させる場合は、同行する家族も含めて、例外2で被扶養者認定を受けられる場合がある
出典1:厚労省 被扶養者認定要件の改正省令について
出典2: 改正前、2019年12月時点での被扶養者の規定例 (協会けんぽ)
以上